東京ヴァルハラ異聞録

「さてと、休憩は終わりだ。もういっちょ派手に暴れるとするか」


篠田さんが立ち上がり、腕を回してビルの外に出る。


俺と御田さんもそれに続き、浅草寺に向かって歩き始めた。


不思議だったのは、北軍に入った時にあれだけいた防衛部隊が、全くいない事。


まるで俺達を迎えているかのように。


「チッ……秋本の野郎。浅草寺に人を集めやがったか」


「困ったのう。これじゃあ人を減らす事も出来んぞ。浅草寺だと、タケさんのビル倒しも出来そうにないからのう」


「秋本の事だ、正午ギリギリに沙羅と梨奈を連れて来て、ちょっとしたパフォーマンスの後に殺す気だろう。それまでの間、俺達を足止め出来ればいいって考えてんだろうな」


「あと、雑魚を当ててソウルを稼がせたくないという作戦もあるじゃろうて。特にタケさんが来てるんじゃからな」


現状でこんなに強い篠田さんが、さらに強くなるのは確かに秋本にとってはマイナスでしかないだろうな。


だけど、まだ正午まで2時間近くある。


篠田さんは、秋本なら言ったとこは実行すると言っていた。


それを信じるなら、正午まで沙羅と梨奈さんは殺されない。


今の俺は、それを信じるしかなかった。