東京ヴァルハラ異聞録

「わ、わかってるよ!ただ、味見をしただけだろ!そんなわけで……ただの高校生。篠田と御田がいるなら、俺達も纏まって戦った方が良いって事で」


首都高にいる二人に怒鳴った後、首を傾けてそう言った男。


軽やかに後方に飛ぶと、街灯の上に着地し、そこから首都高へと飛び移ったのだ。


「浅草寺で待ってるぜ!ただの高校生!!」


そう言い、手を振って去って行った。


一体何だったんだ……今の男は。


それにしても、後でやってきた女。


あの声に聞き覚えがあったような気がする。


北軍に知り合いは数えるほどしかいないし……声が似ているだけか?


そんな事を考えている間にも、俺を囲む群衆が襲い掛かって来る。


「そ、そうだ!早く倒さないと篠田さんに……」


慌てて日本刀を振るが、ガキンという金属音と共に、動きが止まった。


何だと思い、その方向に顔を向けると……。


「おい、全然片付いてねえじゃねえかよ。ぶっ殺すぞ」


篠田さんが日本刀を受け止めて、俺を睨みながら見下ろしていたのだ。


「ひ、ひいっ!す、すみません!!」


「冗談だよ。横手だろ?金髪の野郎が見えたからな。あいつが相手なら、死ななかっただけでも良くやったと思うぜ」