東京ヴァルハラ異聞録

それでも、全てを弾く事は出来ず、微かにかすり傷を負ったが、戦うのに問題はない。


着地すると同時に、身体を回転させて円を描くように日本刀を振る。


半径3m以内の人達が崩れ落ち、光に変わる。


「し、篠田と御田だけじゃないのかよ!こいつもめちゃくちゃ強いぞ!」


「知るかよ!一人だろ!殺っちまえよ!」


一瞬広がったスペースが、また人の波で埋められる。


これじゃあキリがない。


正午までに浅草寺に行かなければならないのに、できるだけ北軍の人間を倒しておかなければならない。


完全に時間との勝負だ。


「うわああああああああああっ!!」


それならと、俺は日本刀を横に構えて人の隙間を走り出した。


出来る限り高速で、刃に触れる人達を斬って行く。


俺は感覚が麻痺しているのだろうか。


以前なら、人一人殺すにも罪悪感に押し潰されそうになっていたのに、今はそれを感じない。


慣れか、それとも俺がおかしくなったのか。


だけど、今はそんな感情は必要がないから都合が良い。


沙羅と梨奈さんを助けなければならないのに、いちいち病んでいられないから。


「お前ら……どけよっ!!」


声を上げ、日本刀を振るって次々と北軍の人を倒して行く。