東京ヴァルハラ異聞録

生命の危機を感じた俺は、倒壊したビルの上に飛び乗り、その奥へと走る。


中には、ビルを乗り越えようとする人達もいたけど、素早く駆け寄って斬り捨てる。


ビルの端まで行くと、分断された人達が、ビルを迂回しようとしているけれど、端の方で詰まっているようで。


フェスか何かかと思うような人だかりが、全員俺達を殺そうとしているんだと考えるとゾッとする。


「ここに飛び込むのは勇気がいるな……でも、行かなきゃ篠田さんに……」


ブツブツとそう呟いていた時。


「ほら、早く行かんかい!」


ドンッと背中を御田さんに押されて、俺は人の群れの中に突き落とされたのだ。


「あ、ああっ!!くそっ!」


人の群れに迫る!


武器が俺の方に向けられるが、それに当たれば致命傷にならないとも限らない。


一つのミスが死に繋がる!


「死んでたまるかっ!!」


落下しながら日本刀を振り上げる。


そして、「あの人」に借りた力を信じて、日本刀を振り下ろした。


刀身の倍くらいの長さ。


見えない斬撃が群衆を襲う。


着地地点は確保出来たけど、武器は変わらず俺に向いていて。


身体を捻りながら、日本刀と鞘で弾くしかなかった。