東京ヴァルハラ異聞録

「おい、ボサッとしてんじゃねぇぞ。お前の刀……変わった能力が宿ったか?それなら今まで以上に戦えんだろうが。北軍を壊滅させるつもりで戦え。今の強さじゃまだまだ秋本には届かねぇぞ」


戦闘中だと言うのに、篠田さんが俺を指さして説教を始める。


「す、すみません。頑張ります」


そんな俺達に、上空から矢が迫る。


左手をポケットに突っ込んだまま、篠田さんは右手で矢を弾いている。


俺も鞘で弾きながら、武器を持って駆け寄る人達に日本刀を振る。


一振りで10人は倒しただろうか。


それでも、篠田さんや御田さんには遠く及ばない。


「おい、ボウズ!ビルの向こう側に行け!そりゃあもう、人がうじゃうじゃいるぞ!」


倒壊したビルの上で斧を振り回している御田さんが、嬉しそうに笑ってそう言った。


「だそうだ。ここは俺がやるからお前は行けよ。俺が行くまでに、全滅させておけ」


「え!い、いくらなんでもそれは無茶……」


「なんだよ、俺の言う事が聞けねぇってのか?」


目を合わすだけで死んでしまいそうなほどの眼力に、俺は何も言えなくなった。


これは……やるしかない。


やらないと殺られる。