東京ヴァルハラ異聞録

「う、嘘でしょ!?」


いくら篠田さんとは言え、車を一台持ち上げるなんて!


「そらよっ!食らいやがれ!!」


さらにそれを軽く放り、落下に合わせて渾身の右ストレートを放った。


ミニバンは、一直線に光の壁に向かって行って、北軍に入るとこちら側からは見えなくなったのだ。


「こりゃあ……100人は殺ったか?よし、行くか!」


御田さんが、両手で抱えるほど大きな斧を取り出して走り始めた。


いやいや……強いのは知ってたけど、スケールから何から違いすぎる。


なんとか遅れを取らないようにと、二人に続いて北軍に入ると。


篠田さんが殴り飛ばしたミニバンが、北軍の人達をなぎ倒して、道路の真ん中に道が出来ていたのだ。


パアッと光が溢れて、光の道へと変わる。



「う、嘘だろ……し、篠田だ!篠田が出たっ!!」


「ば、馬鹿野郎!御田がいるのが見えないのかよ!!『西軍の災厄』だぞ!」




二人を見るなり、北軍がざわめき始める。


それと同時に逃げ出す人達もいる。


「3秒後だ。一斉に来るぞ、構えとけ」


篠田さんに言われ、腰を落として日本刀を構えた。


その直後、堰を切ったように人と矢が、地面と上空から俺達に押し寄せたのだ。