東京ヴァルハラ異聞録

「んー……これなんかいいな。どう思います?英太さん」


「そうじゃな。ワシ的には、こっちのミニバンの方が良いかと思うが」


覚悟を決めた俺の背後で、道に停まっている車を眺めている二人。


「じゃあそっちにしましょうかね。おい、昴。そこ、空けろ。とばっちり食らっても俺は知らねえぞ?」


開戦前からとばっちり宣言!?


それはさすがに嫌だと、篠田さんと御田さんがいる場所まで下がる。


「俺達三人対北軍の防衛部隊約六万人だ。浅草寺に着くまでに、出来るだけ強くなっておけよ。今のお前じゃ、秋本クラスに当たればお荷物でしかないからよ」


三人対六万人!?


そんなに戦力差があるのか。


普通に侵攻していた時はそこまでとは思わなかったけど、広い範囲に人が散らばっているなら納得出来ない話じゃない。


「タケさんが攻撃したら、光の壁を越えるんじゃぞ?ワシもちっとばかり本気で行かせてもらうからな。遅れるんじゃないぞ」


「わ、わかりました」


俺がそう言った直後、PBTからアラームが鳴り響いた。


総力戦が開始された!


と、同時にミニバンを両手で持ち、それを頭上に掲げた篠田さん。