東京ヴァルハラ異聞録

しばらくして、御田さんが二人を埋葬し終わった。


空は明るくなり、朝になった。


「さてと……メシにするか。どうだ?そろそろ立てるか?」


「え、ええ……何とか身体は動くと思います」


差し出された御田さんの手を握り、ゆっくりと立ち上がる。


膝がガクガクと震え、支えなしでは立てないけど、すぐに御田さんが肩を貸してくれた。


「す、すみません……」


「かまわんよ。それにしても何があった?隕石でも落ちたかと思ったぞ。その正体がこの若者だったとは思いもよらなんだけどな」


「は、はは……あの衝撃でPBTが壊れなくて良かったですよ。身体は……ボロボロですけど」


御田さんに支えてもらわないと、まともに歩く事すら出来ない。


「PBTはそんなに簡単に壊れはせんよ。あれを破壊できるのは武器だけだ。プレス機で身体を潰されても、PBTだけは傷一つ付かんわい」


また豪快な笑い。


そうか、そんなにPBTは強いのか。


だったら、武器にだけ気を付ければ良いってわけだな。


「で?相手は誰だ。こんな事を出来るやつは限られてるだろうが、並大抵のやつじゃなかろう」


「えっと……秋本です。手も足も出なかった……仲間がさらわれて、今日の正午に処刑するって。助けに行かなきゃならないんです」