東京ヴァルハラ異聞録

……なんだか身体が重い。


何かが身体の上に掛けられているような感覚。


そして、顔にも何かが掛けられた瞬間、俺は驚いて顔を横に振った。


「ありゃ!まだ生きておったか!すまんすまん、ピクリとも動かんかったから、てっきり完全に死んだかと思ったぞ!」


知らない人の声が聞こえる。


慌てて身体の上の物を振り払い、痛む身体を起こそうとするけど……身体は動かなかった。


「こらこら、無理するんじゃない。お前さんの怪我だと、星3レアのやつらなら即死だったんだからな」


身体の上に乗っているものが土だとわかったのは、人の良さそうなおじさんが掘り起こしてくれたから。


穴の中に入り、俺を抱えてくれる。


「あ……あなたは……」


「喋るんじゃない。まずは回復、話はその後だ。ワシは御田英太(オンダ エイタ)。まあ、PBTで調べりゃそれくらいはわかるわな」


ハッハッハと笑って、俺を木の幹にもたれされて座らせてくれた。


光の壁が近い……それに、空が明るくなり始めている?


日没から夜明けまで、俺は気を失っていたってわけか?


正午まで時間がないって言うのに、俺はなんだってこんな時間まで目を覚まさなかったんだよ。