東京ヴァルハラ異聞録

反応が僅かに遅れた。


その遅れは、このレベルの速度の戦闘では命取りだと言うのに。


槍が迫る。


今度は回避する事も日本刀で弾く事も出来ない!


この槍に貫かれて……死ぬ!


そう思った時だった。


視界の左から飛んで来た何かが悟さんの左肩に直撃し、槍の軌道がズレたのだ。


慌てて身体を捻り、槍を回避する。


紙一重の所だった。




「やれやれ。味方同士で戦っていると思ったら、魂の鎖ですか。わたるくんは相変わらず厄介な人に絡まれてるようですね」



その声は……まさか!


全身オレンジ色で固めた、メガネの男。


「そう、千桜拓也。華麗なるオレンジの流星ですよ!!」


謎のポーズを取り、公園の入り口に現れた千桜さん。


おかしな人だけど……おかげで助かった!


肩に刺さった金属の棒を抜き、地面に投げ捨てた悟さん。


再び俺を見ると、槍を突き付ける。


命拾いしたものの、悟さんの攻撃を防げなければ形勢は変わらない!


「わたるくん!キミは決闘でもしているんですか!二対二で戦えるのに、わざわざ一対一にする必要はないでしょう!武器の相性を考えて戦いなさい!」