東京ヴァルハラ異聞録

対峙する俺と悟さん。


悟さんの強さは知っているけど、それよりも強くなっていると考えた方が良い。


目の前にいるのは、篠田さんだと思って戦え。


ピクリと槍が動く。


次の瞬間、俺は低い体勢で悟さんの槍を下から弾いていた。


その勢いを利用して、低いタックル。


悟さんの脚に身を預けたが、それに反応して軽く跳び上がった。


俺の背中を蹴り、クルリと空中で回転し、地面に倒れた俺に槍を突き付ける。


「あぶなっ!」


俺は横に身体を回転させ、槍を回避すると同時に、上方の悟さんに向けて日本刀を振るう。


だがそれも、悟さんに回避される。


起き上がると、悟さんは槍を振り回して。


改めて槍の穂先を俺に向け、腰を落としたのだ。


「本当に……悟さんは強いな。俺の攻撃が一度も当たらない。それなのに俺は……攻撃が当たらないようにするのに必死ですよ」


「そいつに何を言っても無駄じゃい!!わしの言葉以外、何も聞こえんわ!!」


延吉が笑いながらそう言うが、梨奈さんがそんな延吉に駆け寄り、風火輪を振った。


だけど、延吉はそれを杖で受け止める。


「だったらあんたは殺しても良いって事よね?」


「小娘が……わしを殺せるとでも思ってるのか」