東京ヴァルハラ異聞録

周囲を警戒しながら、浅草通りを目指して歩く。


以前、秋本に襲われた交差点を越えて、俺は梨奈さんに提案した。


「走りませんか?全力で行けば、襲われる可能性も少なくなるし、早く着きますから」


「わかったわ。私が先を行くから、しっかり付いてきてね」


「わかりました」


そう頷くと、梨奈さんも俺に頷いて。


今までの梨奈さんとは明らかに違う速度で走り出したのだ。


星4レアって……こんなに凄かったのか。


そりゃあ、俺だって強くなるはずだよ。


そんな事を考えながら、俺も走り出す。


たまに見かける、露地にいる北軍の人間は無視。


道路の脇にいる、西軍と戦っているやつらや、道を塞ぐ北軍の人間に風火輪を投げ付けて武器の感触を確かめている梨奈さんを見て、強くなるにはそんなに時間はかからないと感じた。


「凄い凄い!これが星4レアの力……星3では勝てないはずだわ」


浅草通りに入り、急に右方向に曲がった梨奈さん。


俺は慌てて足を止め、地面を滑りながら右方向へと向きを変える。


道の真ん中に停まっている自動車を蹴り、梨奈さんに遅れないようにと。


この通りの至る所で、北軍と西軍が衝突している。


それに加勢しながら駆け抜けて……俺達は、広徳児童遊園に到着した。