東京ヴァルハラ異聞録

これが、なんという武器かはわからない。


だけど、明らかに他の物とは違う存在感。


悟さんが俺の日本刀を見た時、すぐに星4レアだとわかったのはこういう事か。


俺にだって、この不思議な形状の武器が星4レアだというのがわかる。


「や、やったじゃないですか梨奈さん!」


俺がそう声を上げると、梨奈さんは何かを感じたのか、ポロポロと涙をこぼしたのだ。


「良かった……良かったよ。これで私もバベルの塔に行ける……私の力じゃ行けないと諦めてたから」


妹の真由さんがキングになってしまって、自分の力でどうにかしたいという思いはあっただろう。


だけど、バベルの塔に挑むには力量不足。


それを誰よりも悔やんでいたのは梨奈さんだったに違いない。


「強くなりましょう。皆でバベルの塔に行って、願いを叶えましょう」


沙羅や梨奈さんの想いに触れ、俺の想いも固まりつつあった。


俺は……この街にいる全ての人間が、元の世界に帰る。


殺し合いなんてしなくてもいい、元の平和な世界に。


バベルの塔に登っても叶わないかもしれないけど、沙羅が言ったように、叶うと信じた方が希望が生まれるから。