東京ヴァルハラ異聞録

その壁の言葉に、俺は安堵して笑みを浮かべた。


誰に宛てられた物かはわかる。


T……拓真が、俺の頼みを聞いてくれたのだろうという事は、この壁の言葉からわかったのだから。


「大丈夫……みたいです。行きましょうか、梨奈さん」


「昴くんの心配事がなくなったのならそれで良かったわ。でもその前に、武器の強化をしていきましょうか。久慈さんも恐れる延吉を探しているなら、強くなっていた方が良いに決まってるからね」


そう言って、長椅子に腰掛けた梨奈さん。


確かにそれは正論だな。


俺は戦闘中に強化をしてしまったから、もうガチャを引くほどソウルが余っていないんだけど。


「そう言えば……俺、さっき戦ってる時に日本刀を強化したんですけど、強くなった実感がなかったんですよね。成長限界とか言われたんですけど」


俺も梨奈さんの隣に座り、ガチャを引くのを見ながらそう尋ねた。


「成長限界は、武器によって決められてるって聞いた事があるわね。昴くんの急成長を見ると、『早熟』タイプの武器だと思うんだけど……それにしても成長限界と言うには早いような気がするの」


「早熟……ですか。そうなのかな」


となると、もう俺はこれ以上強くならないという事か?


もっと強くなるには、進化をしなければならないのか。