東京ヴァルハラ異聞録

後方に弾かれる、剣が曲がる。


パキィンという音が聞こえ、地面に転がる舞のレイピアが折れたのだ。


「見事!!やりましたねわたるくん!!」


「……千桜さんがいなければ、俺は負けていたと思いますよ」


とはいえ、まだ武器を破壊しただけだ。


ブレイク状態だと能力が落ちるから、もう戦えないだろうけど。


「いたた……ほんまありえへんわ。武器まで折られて、舞は昴くんともう遊べへんやん。そっちのオレンジ色はどうでもええけど、昴くんはまた会おうな。約束やで」


立ち上がり、そう言った舞は、手を振ってビルの間の道を走って逃げて行った。


追い払った……のか?


「ど、どうでもいいとは何ですか!最後まで失礼な人だな!」


ブリブリと千桜さんは怒り、金属の棒を投げ付けているけど、当然それが当たるわけもない。


「ふぅ……助かりましたよ千桜さん。最初は変な人だと思ったけど、強い人だったんですね」


「キミも相当失礼な人ですよね……」


地面に落ちている帽子を拾い上げ、埃を払って被り直した千桜さん。


「強い敵もいますから、相手を観察する事を忘れないでくださいね。キミは見所がある。もっともっと強くなれる可能性を秘めていますよ」