東京ヴァルハラ異聞録

千桜さんと頭部にレイピアが迫る!


だけど……拳を振り上げ、指を器用に動かして、金属の棒を交差させると、レイピアを受け流したのだ。


「!?」


その行動に、舞も驚いたように後方に飛び退いた。


「フッ。この千桜拓也には見えていますよ。僕はそんなに強いわけじゃないけれど、この程度の動きなら見極めるのはわけないですね」


舞の動きを見極められるのに、そんなに強くないだって?


だったら俺は、全然強くないって事か?


……いや、それはわかってる事だろ。


手も足も出ない相手なんて今までにもいっぱい出会って来た。


調子に乗るなと、このオレンジ色の人に言われたような気がした。


「さあ、わたるくん!この破廉恥なレディを成敗しましょう!」


そう感じる事が出来た俺は、迷わずに口を開いた。


「はい!よろしくお願いします!」


日本刀を構え、千桜さんと共に舞に対峙する。


「な、なんなん!昴くんはこの気持ち悪いオレンジ色の味方をするん!?そんな悪い子は……お仕置きせなあかんな」


舞の声色が変わる。


千桜さんに向ける殺意と同じ物が、いよいよ俺に向けられたという感じだ。