東京ヴァルハラ異聞録

「あれ!?ちょっと!こういう時は僕と一緒に……のわっ!!」


なんか背後でさっきの人の声が聞こえたけど、戦場であんな余裕があるような事を言う人だ。


きっとどうにかするだろう。


それよりも梨奈さんはまだ集団の中。


俺が道を切り開かなければ。


北軍の群れを抜け、防衛隊の背後を突く状態になった。


当然、俺に気付いた何人かは、俺を殺そうと武器を構える。


日本刀を構え、攻撃を仕掛けようとした時。





「なんや、えらい身軽そうな人がおるなぁ。強い人やと、舞は困っちゃうんやけど」





背後から、殺気を感じると同時にそんな声が聞こえて。


全方位に意識を向けながらも、その声の主を見た。


「可愛い僕ちゃんやん。そんなもん振り回さんと、お姉さんのペットにならへん?」


そこには、細身の剣……レイピアを構えた、やけにスタイルの良い髪の長い女性が、嬉しそうに俺を見ていたのだ。




「おのれ!ガキのくせにペットになるチャンスを与えられやがって!ぶっ殺してやるぜ!」





なんだか、男達がざわついて殺気立っているけど……俺が悪いわけじゃないだろ。


笑顔の女性を前に、男達が俺に襲い掛かる。