東京ヴァルハラ異聞録

声を上げながら走る西軍の人達に紛れ、光の壁を越えた俺達。


その瞬間、武器を取り出して高速で飛び上がった沙羅。


ビルの上に飛び乗り、俺達を気にするようにこちらを見る。


「沙羅ちゃんは大丈夫よ。今は戦いに集中しなさい!」


「わかってます」


目の前には矢の雨、人の群れが俺達を迎え撃つようにして襲い掛かって来た。


さすがにこの昭和通りは、北軍の防衛が多い。


西軍の先頭が、北軍の防衛隊と衝突し、夕方の街に光が溢れる。


「昴くん!先頭に行きなさい!今のあなたなら戦えるでしょ!道を切り開くのよ!」


梨奈さんに背中を押され、俺は前にいる人達の頭上を飛び越えた。


空中で、迫る矢を日本刀と鞘で弾きながら、北軍の集団の中に飛び込んだ。


何人かは上から迫る俺に気付いて武器を上げようとするけど……遅い!!


着地地点にいた男に、日本刀を突き立てて押し倒し、素早く円を描くようにして日本刀を横に振った。


次々と倒れて行く人達。


光に変化し、俺の周囲が広くなる。


「や、野郎!ぶっ殺せ!」


「ガキが調子に乗りやがって!!」


それでも、俺を取り囲んでいるからと、強気でいるのかもしれない。


北軍の人達が、一斉に俺には遅い掛かって来た。