東京ヴァルハラ異聞録

光の壁。


俺達は昭和通りから上野方面に行く事にした。


この辺りでは一番大きな道で、頭上には首都高が通っている。


武器を出せば、沙羅と俺は首都高から攻め入る事が出来るだろうけど、梨奈さんにそれが出来るかどうかは不明。


さらに言えば、沙羅は武器を出せばカモフラージュが消えてしまうから、今回は下の道を行くしかない。


久慈さんがいないからか、侵攻しようとする人はそれほど多くはない。


とは言え、それでもこの場所に500人はいるだろうか。


「今回ははぐれないように行くわよ。沙羅ちゃんは……北軍だからこの総力戦でお別れかしらね」


「うん……寂しくなるけど、また会えるから。ね?昴くん」


そうか、総力戦が終われば、沙羅はこちらには戻れなくなるのか。


元々北軍の人間なんだ、バベルの塔に向かう為に仲間を探す目的があるんだから。


「大丈夫、すぐ強くなって、沙羅を迎えに行くさ」


日本刀を取り出し、そう呟くと……PBTから、総力戦の開始を告げるアラームが一斉に鳴り響いたのだ。


「行くわよ、二人とも!」


梨奈さんの言葉に頷き、俺達は光の壁に向かって走り出した。