東京ヴァルハラ異聞録

ベッドに腰を下ろし、スプリングを楽しむように身体を揺する。


実に沙羅らしいと言うか、いつも楽しそうだよな。


そんな沙羅の隣に座って、そのまま仰向けに寝転がった。


「昴くん、ありがとうね。昴くんのおかげで真由に会えたよ」


「ははっ……沙羅の事を考えたら、言わない方が良かったかなって思うけどね。友達があんな姿になってたんだ。悲しいだろ」


「うん……でも会えた。それに、タケさんが守ってくれてるから安心だよ」


同じように、沙羅も寝転がって俺を見る。


「でも、結局俺は何も出来なかったなって思ったよ。真由さんの情報を得られたのは偶然だし、沙羅に出会わなかったら嵐丸さんだって協力してくれなかっただろうし」


まあ、裏切り者と呼ばれる事はなかったかもしれないけど。


「そんな事ないよ?昴くんがいなかったら、沙羅は真由に会えなかったんだから」


そう言って、沙羅は俺の右手をギュッと握った。


思いもよらないその行動に、ドキッとして身体が動かなくなる。


少しずつ力を込めて握り返すけど、沙羅は微笑んでいて。


胸を締め付けるような感覚に、俺の呼吸が荒くなる。


まさか……こんな可愛い子と、ベッドに寝転がって手を繋いでいるなんて事が起こるとは思わなかったから。