東京ヴァルハラ異聞録

「あんたほどの力があれば!真由を自由にしてやれる方法を探す事も出来るだろうに!!」


防戦一方の嵐丸さんが、金棒で篠田さんの攻撃を防ぎながら、距離を取るためにそれを押し出す。


僅かに後退し、少し距離が出来た瞬間、嵐丸さんが金棒をスイングする。


完全に篠田さんの頭部を捉えた!


カウンターを回り、篠田さんの背後を突こうとしていた俺の目に、その姿が映る。


ガンッ!!


という音が聞こえて、嵐丸さんが篠田さんに一撃を入れたか!


と、思ったけれど。


「それ以上喋るなよ。何調子に乗ってベラベラ話してんだテメェはよ」


左手一本。


嵐丸さんの攻撃を、メリケンサックを装着しているとは言え、左手一本で受け止めて、右手ではいつの間にかくわえたタバコに火を点けていたのだ。


そして、その金棒をグッと引き、嵐丸さんが前のめりになった所で、痛烈な膝蹴りが炸裂したのだ。


「ぐふっ!」


完全に体勢が崩れる。


髪を掴んで、篠田さんが後ろの方に嵐丸さんを投げた。


背中を向けている……行くなら今しかない!


気配を悟られるな……速く、正確に!


一撃で決めなければ、俺達は殺される!