東京ヴァルハラ異聞録

嵐丸さんが叫び、金棒をフルスイングする。


篠田さんはそれを屈んで回避し、金棒はカウンターを破壊して動きを止める。


「……テメェ。言いたい事はそれだけかよ。だったら俺が殺してやる」


屈んだ状態から、力を爆発させるように立ち上がりながら、拳を嵐丸さんに振った。


「ぐうっ!!どうしてあんたは、現状を変えようとしないんだ!可能性を信じようとしない!」


その拳を、一度放した金棒を再び取り出して防ぐ。


金属音が衝突する音が響き、嵐丸さんが衝撃で後退する。


「黙れ!俺が離れたら……誰があいつを守るってんだ!」


篠田さんの攻撃を、金棒で受け止め続ける嵐丸さん。


久慈さんは呆れたようにただ見ているだけ、梨奈さんは手出しが出来ない戦いで見ている事しか出来ない。


「はぁ……はぁ……」


なんとか立ち上がり、日本刀を抜いた俺は、篠田さんを見た。


沙羅がやられる程の相手だ。


真正面から行って、俺が勝てるはずがない。


嵐丸さんも防戦一方だし、この街で最強だという話は大袈裟じゃないみたいだ。


沙羅と嵐丸さん。


二人がかりでやっても勝てるかどうか。


俺がやれるとすれば……不意打ちしかないだろう。