東京ヴァルハラ異聞録

久慈さんに連れられ、カラオケ店に入る。


「す、昴くん!何がどうなってるの!?昴くんが裏切り者だって聞いて……」


ロビーの椅子に、梨奈さんが座っていて、俺を見るなり立ち上がって駆け寄って来た。


「いや、それがですね……北軍で女の子を助けたら、裏切り者にされて」


まあ、他にも色々と理由はあるんだけど、沙羅を見たらなんて言うか。


当然、隣にいる沙羅に梨奈さんが気付く。


沙羅も、真由さんに似た梨奈さんを見て驚いた様子で。


「さ、沙羅ちゃん。どうしてあなたがここに……ランキングの黒崎沙羅って、沙羅ちゃんの事だったのね」


「お姉さん!真由のお姉さんだ!」


俺を押し退けて、沙羅ちゃんに抱き着いた梨奈さん。


……出来ればそれは、俺にしてほしかった。


じゃない!


「あ、あの……えっと?二人は知り合いですか?」


「うん!言ったでしょ?真由と沙羅は友達だって。梨奈さんは、真由のお姉さんなの」


いや、それは知ってるけど。


「……梨奈さん。離れてください。黒崎沙羅は、楠本真由の行方を探る敵です。タケさんがどういう判断を出すか……それ次第では、殺さなければならない可能性もあるんですから」