東京ヴァルハラ異聞録

篠田さんは、真由さんに魂の鎖を付けて従者にしているとしたら。


自分の為だけに動く、自分だけの従者にして、他の誰にも知られなくないから、真由さんの居場所を探る人を殺している。


そう考えたら、俺達に会わせてくれないのは理解出来る。


真由さんは……篠田さんに囚われているんだ。




「そうそう、梨奈さんも美佳さんも、無事だから心配しなくていいよ。相変わらず悟の行方はわからないけどね」




俯いていた俺に、久慈さんがそう言った。


目まぐるしく状況が変化していて、人の事を考えるどころじゃなかったけど、二人とも無事なのは良かった。


「そうですか……良かった」


「梨奈さんも呼んであるから、再会を果たすと良い。タケさんに会う前にね」


そんな話をしている間にも、万世橋警察署の前を通り、あのカラオケ店が目の前に。


篠田さんに三階から落とされて、まだ数時間しか経っていないのにここに戻って来る事になるとは思わなかったな。


「ここに真由はいるの?」


「ここにタケさんがいる。俺の役目はお前達を連れて来る事だけだ。教えてくれるとは思えないが、知りたければタケさんに聞くんだな」