東京ヴァルハラ異聞録

それはつまり……ほとんど何もしていなくて、ランキングの上位にいるって事か。


だったら、まずいんじゃないの?


俺と嵐丸さんがそんな話をしているのに、沙羅はニコニコしていて。


死ぬかもしれないってのに、楽しそうだ。


「そ、そんなに強いんですか」


「強いなんてもんじゃない……あの人は化け物だよ」


話を聞けば聞くほど、俺は死ぬんだろうなと実感してしまう。


昭和通りを歩き続けて、岩本町までやって来た。


ここまで来ると、さすがに西軍の人達が多くて、北軍の沙羅は目立ちすぎる。


そう考えていると……目の前に、またあの人が現れたのだ。


「……久慈」


「嵐丸さん。まさかあなたを連行する事になるとは思いませんでした。それも、結城昴と黒崎沙羅まで一緒とはね」


この二人は、俺を連行する為にホテルの前で待っていた。


あの時は嵐丸さんも、こうなるなんて思っていなかっただろうな。


「俺もこうなるなんて思わなかったね。西軍を裏切ったつもりもないし、やれる事を全力でやっただけなんだけどな」


「……ここまで来たという事は、覚悟は出来てるんですよね?大人しく付いて来てください。俺がいれば、その死神に襲い掛かる人もいないでしょうから」