東京ヴァルハラ異聞録

足取りは重い。


西軍の為に戦って、被害の拡大を防ぐ為に南軍とも協力をして「ナイト」の存在を確かめた。


なのに、嵐丸さんはまるで罪人のようだ。


冗談じゃないと、篠田さんの命令を突っぱねて逃げる事も可能だったけど……サラが真由さんに会いたいと言ったから、一緒に秋葉原に行ってくれる事になった。


「はぁ。今なら結城の気持ちがわかるぜ。お前も、別に西軍を裏切ったわけじゃなかったんだろ?沙羅ちゃんに頼まれたらなあ……そりゃあ、協力したくもなるよなあ」


「色んな偶然から、誰でも裏切り者になるんですね……」


同じ立場になって、嵐丸さんに理解してもらえたのは、なんだか心強いな。


本人はこの世の終わりのような顔をしているけど。


「……最悪、俺と結城は殺されるとしても、沙羅ちゃんだけは逃がさなきゃな」


さらに溜め息を一つ。


そんな大袈裟な。


沙羅の方が篠田さんより賞金ランキングが高いんだ、篠田さんより強いはずだろ?


「だ、大丈夫ですよ。沙羅の方が……強いはずでしょ」


そう思って口を開いたけど、嵐丸さんは首を横に振った。


「あのランキングは、どれだけ人を殺しているかっていう指標にすぎない。タケさんはな、ここ3ヶ月、侵攻にも防衛にも参加してねえ。言ってる意味、わかるよな?」