東京ヴァルハラ異聞録

慌てて、ポケットからPBTを取り出した嵐丸さん。


『……聞こえてるか、嵐丸。お前、北軍の死神と仲良くしてたそうだな。それだけじゃねえ。南軍のやつらともつるんでたらしいじゃねえかよ』


情報が早い!!


総力戦が終わったばかりなのに、もう篠田さんの耳に入ったのかよ。


「あ、いや……タケさん、これには深い理由があってですね。成り行きと言うか、仕方ないと言うか……」


嵐丸さんの顔に、冷や汗が滲み出る。


上手くまとまらない様子の嵐丸さんを見て、沙羅がPBTに顔を寄せて口を開いた。


「あなた、タケさん?楠本真由の居場所を知ってるんでしょ?沙羅の友達なの、会いたいから会わせて」


『……テメェ、黒崎沙羅か。どうやらガセ情報じゃなさそうだな。おい、嵐丸。黒崎を連れて秋葉原に来いよ。テメェは死刑だ』


篠田さんがそこまで言うと、PBTの通話を終了したようで、それ以降声は聞こえなかった。


「お、終わった……防衛隊長として、タケさんの指示に従って生きてきたのに……」


「え?あ、ごめんね、嵐丸くん」


ガックリと肩を落とした嵐丸さんを、沙羅が慰めていたけど……ついに嵐丸さんも俺と同じく裏切り者になった……という事か。