東京ヴァルハラ異聞録

「や、やっと追い付いたぜ。二人とも俺達を置いていくんだもんな!」


二人がいるアーチの上に登り、バベルの塔の方を見ている二人に声を掛けた。


「お前ら遅い。10分も待ったぞ」


「そんな事よりほら、見てみて。あの場所……両国国技館」


川本の愚痴、そして沙羅が指さした両国国技館。


いや……あれは両国国技館と言って良いのか。


建物を取り込むようにして、国技館の上に、白い塔が建っていたのだ。


四方から光の壁が塔に向かって伸びてはいるけど、塔から100メートル程は、その光の壁も完全に途切れている。


そして……バベルの塔の周辺には、ポーン達がうろついていた。


何をするわけでもなく、ただ、バベルの塔を守っているかのように。


「相変わらずポーンがうようよいるなあ。何も変わった事はないように見えるけど……」


俺は初めてここに来たから、何がどう違うのかはわからない。


三人の目で確認してもらって、どんな変化があるのかを教えてもらうしかない。


「よく見てみろよ。ポーンじゃないやつが混じってるだろ?」


川本がそう言って、俺と光輝がポーンの群れを凝視すると……ビルの陰から、ポーンとは違う、異様な姿の化け物が現れたのだ。