東京ヴァルハラ異聞録

心臓を狙えなかった……だけど、ポーンの頭部は眼下にある!


一か八か、日本刀を逆手に持ち、両手で握り締めてポーンの頭部に突き刺した。


さっきと同じ、刃が頭蓋骨に当たる感覚……だけど、貫くには至らない!!


そう思った瞬間、俺に赤い影が落ちた。


見上げるとそこには川本。


「獣のくせに……人語を理解してるな!?だから心臓を守ったんだろ!少年!それを押さえてろ!!」


「え、ええっ!?」


言うより早く、川本の拳が降り注いだ。


ポーンにではなく、俺の日本刀の柄尻(柄の先端)目掛けて。


その衝撃に備える為に、グッと日本刀を握り締めた。


次の瞬間、川本の拳が日本刀に直撃し、刃が……ポーンの頭蓋骨を砕き、頭部を貫いたのだ。


ガクンと揺れ、ゆっくりとポーンが倒れる。


「え……わ、わわっ!?」


日本刀を引き抜く事が出来なかった俺は、倒れるポーンから離れる事も出来ず、そのまま地面に倒れてしまったのだ。


「いてて……だけど、倒したのか?」


「へへっ。少年が私の思い通りに動いてくれたおかげだな。さて……他はどうかな」


日本刀から手を離し、起き上がって辺りを確認してみると……。