「ガウッ!!ガウッ!!」
やつらがやって来た!!
「ひ、ひいぃぃぃっ!!助けてくれっ!!」
露地を走り、なんとかこちらに逃げようとしている南軍の人。
その後ろに、犬のような顔のポーンが!
大通りにいる人達も、ポーンの声に気付いたのか、戦闘どころではないと言った様子で、手と足を止めて露地を見ている。
「助け……あぎゃっ!!」
「う、うわああああっ!!」
ポーンが大通りに飛び出した。
と、同時に、南軍の人と秋田がポーンに噛み付かれた。
後方に飛び退いた俺達は何とか被害に遭わずに済んだけど。
バキバキと骨が砕ける音が聞こえる。
二人は胴体を噛み砕かれ、ポーンの口の中に入って行く。
「この犬っころが!!私が相手してやるよ!」
川本が、自らの拳同士を合わせ、怒りに満ちた表情をポーンに向けたけど、侑樹と呼ばれた偃月刀の子が、慌ててそれを止めた。
「待って!こいつら……三匹いる!!」
侑樹が指差した先……南軍の人を食ったポーンの後ろに、もう二匹のポーンがいた。
そして、大通りにいる南軍と西軍の人達を見て……ひと吠えすると、まるで餌に向かって駆け出す獣のように、襲い掛かったのだ。
こうなっては、戦闘どころではない。



