東京ヴァルハラ異聞録

……なんか、初めて会った時もこんな感じだったよな。


緊張感がないのか、余裕があるのかは知らないけど。


「そうは言ってもよ、光輝。俺はそういう事が気に……」


と、森島がそこまで言った時だった。


フワリと舞った沙羅が、森島の頭の上に着地したのだ。


「ごめんね、頭借りるよ」


「え?」


さらに次の瞬間。


沙羅が再び舞い上がった直後、森島が縦に真っ二つに両断されたのだ。


「戦いの最中に、敵に頭を踏まれてのほほんと!!死ぬ気でやりなさい!じゃないと私がお前達を殺すからね!!」


森島を真っ二つにした偃月刀を振り、メガネの向こうから殺気に満ちた目を光輝達に向けていた。


「も、森島……蟹座はもしかして12位だったのかよ」


「言ってる場合ですか!秋田さん、本気で行かなきゃ、次は俺達が桜井さんに殺されますよ!」


桜井と呼ばれた女の子の攻撃を、ひらりひらりと回避する沙羅。


もしかして、俺を助けようとしてくれたのか。


だとしたらありがたい。


俺の相手が一人減ったわけだから。


これなら……やれる。


俺でも勝てるかもしれない。


光輝はともかく、秋田は敵じゃない。