東京ヴァルハラ異聞録

「う、うおっ!?」


両手剣を振り下ろしながら、ギリギリで日本刀を回避するけれど、刃が左耳を切り裂いた。


動きが見える。


大きな武器だから、攻撃が大味になっているだけかもしれないけど……足止めくらいなら、俺でもやれそうだ。


そう、心に僅かな余裕が生まれた時だった。


視界の左側から迫る、銀色の突起物。


これは何だと判断する前に俺の身体は動いて、上体を反らしてそれを回避した。


光輝の剣。


「チッ!!やるようになったじゃないかよ、昴!!だけど、その程度なら俺には勝てないぜ!」


「光輝!!」


素早く後退し、三人から離れた俺は、次の攻撃に備えて腰を落とした。


「ちくしょう……どうなってやがんだ。俺達三人がいいように遊ばれてるなんてよ!」


「いやいや、遊ばれてるのは秋田さんと森島さんでしょ。俺は、負ける気がしないですけどね」


体勢を立て直して、今度は光輝を真ん中に据えて三人は武器を構えた。


「光輝、俺は今日は運が悪いような気がするんだよな。星座占い、蟹座は今日は何位だ?」


「知らないですよ!この街にそんなものあるわけないでしょ!森島さんは変な事を気にしすぎなんですよ!」