東京ヴァルハラ異聞録

「一つだけいい?どうして何も言わずに攻撃して来なかったの?」


悪く思うなと言うなら、不意打ちをしても良かったと思うけど。


「バカにするなよ?不意打ちは、勝てそうにない相手にするもんだ。俺はお前より強い。森島さんも、秋田さんもだ」


なるほどね。


俺は弱いから、正面から叩き潰すってわけだ。


それならそれで……気が楽だ!


三人が俺を取り囲む。


ジリジリと後退しながら、誰が先に動くかという事に意識を集中させる。


「チェストーッ!」


そんな中で、秋田が大鎌を勢いよく奮った。


俺の胴を刈り取るような鋭い一撃!


一日前の俺なら、避けられなかっただろうけど……愛美の鞭より遅い!


その攻撃に合わせ、軽く飛び上がった俺は、大鎌の刃の上に着地し、身体を横に回転させながら日本刀を振った。


「!!」


その刃を、慌てて身体を反らして回避するけれど、完全には回避し切れなかったようで、鼻をかすめて出血したのだ。


「や、野郎!!」


それに遅れて気付いた森島が、両手剣を俺に目掛けて振り下ろす。


それより速く、大鎌から飛び降りた俺は、森島の顔に日本刀の刃を添えた。