東京ヴァルハラ異聞録

「え?」


「え?」


俺も嵐丸さんも、沙羅の言葉に不意を突かれたような感じで。


振り返って沙羅を見てみると、ニコニコと俺達を見ていた。


「し、死神が……防衛に参加してくれるってのか?だったらこれ以上頼もしい事はないけど……い、いや!騙されねぇぞ!俺達を騙すつもりかもしれないからな!」


これが普通の反応だと思う。


目の前に現れた敵が、突然味方をすると言っているんだから。


それでも沙羅は、首を傾げて不思議そうに。


「嘘なんてつかないよ。だったら指切りしよ?ね?」


そう言って、嵐丸さんの手を取り、小指を絡めて歌い始めたのだ。


「ゆーびきーりげーんまーん、うーそつーいたーら針千本のーます!はい、約束!」


その行動に、呆気に取られる嵐丸さん。


想像していた「死神」の像と違ったのか、ポカンと口を開けたまま沙羅を見ていた。


「ほ、ほら……大丈夫ですよ。沙羅は」


その俺の言葉に我に返ったのか、嵐丸さんが咳払いをして沙羅に尋ねた。


「う、うーん……いや、ま、まあ信じてやる。や、約束だからな。だけど、どうして手伝ってくれるんだ?結城の頼みだからか?」


嵐丸さんが顔を赤くして、そう尋ねると、沙羅笑顔で答えた。


「うん。だって沙羅は昴くん大好きだもん」


その言葉の直後、俺の頭部に嵐丸さんの拳が降ってきた。