東京ヴァルハラ異聞録

「はぁ……はぁ……いってぇ……!!でも、勝てた……」


また左腕。


秋本に切断された腕を、今度は自分自身で切断する事になるなんて思わなかったけど、あれくらいしか思い付かなかった。


格上の相手に勝つには……虚を突くしか。





「お、おい……三田さんに勝ちやがったぞ」


「誰か……行けよ。今なら殺せるかもしれないだろ」


「だ、だったらお前が行けよ……」





俺を取り囲んでいるやつらが、口々に騒ぎ始める。


何とか勝てたものの……この人数を相手にするのは厳しいな。


沙羅のように、頭上を越えて行くしかない。


そう判断し、跳び上がろうとした時だった。


PBTからアラームが鳴り出したのだ。


俺だけじゃなく、ここにいる全員。





「……総力戦が始まる。後15分後だぞ!」


「やけに準備時間が短いじゃねえかよ!どうするんだ、三田さんもいないのに!」





タイミングとしては最悪……というわけか。


普段なら、愛美が防衛についていて、南軍の侵攻を防いでいた。


その愛美は、今、決闘で死んだばかり。


西軍の動揺は当然ってわけだ。


そう……俺が考えていた時だった。