東京ヴァルハラ異聞録

だが、それを見た愛美は身体を横に回転させ、今度は横に薙ぎ払うように鞭を操ったのだ。


「うわっ!危ない!」


慌てて屈み、身を低くして回避したものの、愛美の攻撃は止まらない。


さらに低く鞭を横に振り、俺の足に絡めてグイッと引っ張ったのだ。


「甘いね!甘い!」


身体が持ち上げられ、大きく弧を描いて地面に叩き付けられる。


激突の瞬間、なんとか腕でガードはしたものの、ダメージが大きい。


「く、くそっ!」


慌てて足に絡み付いた鞭を解き、立ち上がった時には、大勢の西軍の人間に囲まれていて。


自軍にいるのに、まるで敵陣の中にいるような心細さを感じた。


「私に勝てると思ったなら、大きな間違いだよ。ほんの少しでも殺れると思った?私を舐めるなよ」


以前決闘した時のように、俺を助けてくれる人はいない。


自力でどうにかしないと……俺はまた死ぬ。


あの鞭は生き物のように俺に迫って来る。


日本刀で払ったとしても、愛美はそれに対応するだろう。


だったら……どうする?


自軍にいるだけあって、最初の攻撃でやられた傷はもう治りつつある。


細かいダメージを重ねても、すぐに回復してしまう。


つまり、狙うは一撃必殺。