東京ヴァルハラ異聞録

光が俺と愛美を繋ぐ。


「別に名乗らなくてもいいし。あんたはこれから西軍の皆に狙われる。命が尽きるまで、苦しみながらその罪の重さを噛み締めるといい!」


腕を振られ、鞭がまるで生き物のように俺に迫る。


距離を取ろうと後方に飛び退いたけれど、それよりも速く鞭の先端が俺の腹部をかすめた。


それだけで服は裂け、ズキンと鈍い痛みが走った。


左手でそっと触れてみると血が。


かすっただけなのに……皮膚を削ぎ落としたってのか。


鋭利な刃物じゃない。


革で作られた、殺傷を目的とした武器としての鞭。


動きも不規則で、光輝の時のように動きを読む事は難しい。


「沙羅が言ってただろ……イメージだ。勝つイメージをしろ」


愛美は強い。


今のひと振りで理解出来た。


普通に戦っていては勝てないから、愛美の考えの上を……格下だって油断しているのを逆手に取れれば!


「ブツブツ言ってるだけじゃ戦いにならないだろ!」


さらに、叩き付けるように鞭を振る。


風を切るような音と共に、俺を目掛けて鞭が迫る!


まともに防御なんて出来ない!


素早く右に回避し、愛美に向かって駆け出した。