東京ヴァルハラ異聞録

久慈さんと一緒に、俺を捕らえにやって来た女だ。


「……あんた、俺を追い掛けて来たのか」


「言い方!私は裏切り者を殺しに来ただけ。どうする?抵抗してみる?その折れた武器で私に勝てるなら……だけど」


抵抗してもしなくても、ここで殺すつもりだろ。


だったら……生き延びる為にも戦うしかないじゃないか。


女に折れた日本刀を向け、腰を落として構えた。


少しでも隙を見付けて、逃げ出せればと思ったけど。


「……同じ軍で戦っても、ソウルも金も入りゃしない。だからここは決闘と行こうか。誰にも邪魔されない、私とあんた二人だけの世界だ」


このまま戦えば、大勢に取り囲まれる。


かと言って決闘を承諾すれば、どちらかが死ぬまで逃げる事は出来なくなる。


この状況、逃げる事が先決だろうけど……沙羅とあの女の子を逃がす事を考えたら、俺が時間を稼いだ方が良いかもしれない。


「わかった。決闘しよう」


「いいね。裏切り者にしておくにはもったいないくらいの度胸だ。さあ、PBTを出しな!」


そう言い、PBTを操作して俺に決闘を申し込む。


「三田愛美(サンダ マナミ)……俺は結城昴。ここで死ぬわけにはいかない!」


決闘を承諾し、PBTをポケットに入れて、愛美を睨み付けた。