東京ヴァルハラ異聞録

女の子を抑えていた男に接近し、横回転をすると同時に男の首を斬る。


血しぶきが飛び散り、男がステージから転落し、沙羅は女の子を庇うようにしてその前に立った。


「うおおおおおおっ!!ぶっ殺せ!!死神ったって、女一人だろうが!!」


「こいつも捕まえて従者にしちまえ!」


観衆がそう声を上げるが……ステージに上がろうという者は少なかった。


先に誰かが沙羅と戦って、消耗するのを待っているのだろうか。


先陣切って戦って、無駄に死にたくはないという思惑がそれからもわかった。


だけどそれは、沙羅にとっては幸運でしかない。


雑魚がいくら来ようと、消耗などせずに処理出来るだろうから。


「……なんて、俺だけ傍観してるわけにもいかないよな。俺はやれる……沙羅を助ける!!」


足の裏に意識を集中し、あのステージまで跳ぶイメージは出来た。


少しだけ助走を取り、勢いよく跳び出した!


……つもりだったけど、縁に足を掛けた瞬間ビビってしまい、勢いが完全に死んでしまっていた。


「う、うわっ!と、届け!届けっ!!」


明らかにステージまで届かない!


観衆の中に落下するのは目に見えている!


そんな中で、一つだけ方法が脳裏を過ぎった。