東京ヴァルハラ異聞録

中央通り、新日本橋駅の上にある交差点。


俺と沙羅は、屋上に駐車場があるビルの上から、その交差点を見下ろした。


『お集まりの皆様!!次の商品はこちら!!昨夜捕らえたばかりの可愛い可愛い女子高生だ!!殺してソウルにするもよし!従者にして飽きるまで犯しまくるもよし!さあ、10000Gからのスタートだ!!』


交差点の真ん中に、粗末なステージのような物が作られていて、その上にはMCのような人がPBTに向かって話をしている。


その傍らには、制服姿の女子高生らしき女の子と、その子に武器を突き付ける男。


そして、それを見る1000人はいようかという、大観衆。


「さ、沙羅……これは何」


「よくある事だよ。総力戦が終わって、捕虜にした敵軍の人間を売るの。殺されるだけならまだマシかもね。従者にされて、死ぬ事も出来ないまま使われるよりは」


舞桜の話を聞いて、考えなかったわけじゃない。


むしろ、力が全てというのなら、こんな事もあるのだろうと理解出来る。


だけど、それを目の当たりにしてしまうと……何とも不快でしかない。


『さあさあ!そちらの紳士が25000だよ!この好きもんが!他にいないか!?こんな上玉、滅多に手に入らないよ!無理してでも買うべきだと俺は思うね!』


調子よくMCが話している間、俺ならどうやってあの女の子を助けるかを考え続けていた。