東京ヴァルハラ異聞録

でも、何となく感覚はわかるかもしれない。


篠田さんに三階から落とされた時に、着地するイメージを持って、足の裏に意識を集中させていたから。


あの感覚だ。


折れた日本刀を握り締め、言われ通りに意識を集中させる。


そして、跳び上がるイメージ通りにジャンプすると……俺の身体は高く舞い上がり、沙羅に向かっていたのだ。


「わわっ!す、すげぇ!!」


けど……高架の上に届かない!!


ビタン!と、線路の足場にぶつかり、落ちないようになんとか沙羅の足元に手を掛けてもがく。


「上出来上出来。慣れれば、どんな時でも思うような動きが出来るようになるからね」


沙羅が手を伸ばし、俺を引き上げてくれた。


「あ、ありがとう。で、でさ、あの声はどこから……」


照れ隠しに頭を掻きながら、声の方に目を向ける。


「ここから東の方……中央通りの辺りから聞こえる。昴くん、さっき言った『イメージ』をしっかり持って付いて来て」


そう言うと、沙羅は跳び上がり、線路を越えると、次はビルの上へと移動したのだ。


「付いて来てって……無茶言うなよ!」


そう言いはしたものの、なんとか沙羅に付いて行く。


ビビって、何度かビルから落ちそうになったけど、なんとかその場所へと辿り着く事が出来たのだ。