東京ヴァルハラ異聞録

沙羅に言われた通り、素材の武器を日本刀に溶け込ませるイメージで合わせてみる。


すると、光と共に素材の武器が消え……日本刀に力が加わったような感覚を、俺も感じる事が出来た。


残る四つの武器も、同じように溶け込ませる。


「ほら、強くなった感じがするでしょ?」


「うん……何だか身体も軽くなったような気がするよ」


俺がそう言うと、沙羅はフフッと笑う。


その笑顔に思わずドキッとしたけど……首を横に振って邪念を振り払った。


「それで、昴くんは……」


と、沙羅が何かを言おうとした時だった。


少し離れた場所から、大勢の人達の、怒号にも似たような声が聞こえてきたのだ。


歓声というか……そんな感じの声が。


「なんだ?総力戦はまだ始まらないはずだろ?」


慌てて立ち上がった俺は、その声の方を向いた。


「夜が明けて、まだそんなに時間が経ってないから。もしかすると……昴くん、行ってみよう」


同じく立ち上がった沙羅が、フードを被って、高架の上に軽やかに舞い上がった。


「え!?いや、ちょっと待って!俺、そんな高くジャンプ出来ないよ!!」


「意識を集中するの。足の裏に力を溜める感覚で、跳べるってイメージするの」


イメージって、簡単に言ってくれるよ。