そう尋ねても、皆が向ける視線は冷たくて。


「昴くん……まさかあなたがあんな事をするとは思わなかったわ。悟さんが言ってくれなかったら、私だって敵に売ってたんでしょ!?」


美佳さんが、久慈さんの後ろから妙な事を言い出したけど……何の事だ?


「悟の行方を知りたいのはこっちの方だよ。言え。お前は誰の差し金だ?秋本か?それとも別の誰かか」


キャップの女性が、まるで汚物でも見るかのような目を俺に向けてそう言い放った。


意味がわからない。


必死に戦って、殺されて、生き返ったと思ったらこんな事って。


「ちょっ……ちょっと待ってくださいよ!悟さんが行方不明なんですか!?」


「そんな演技はいらねぇんだよ。答えねぇなら……捻り潰すぞ」


そう言い、巨大な金棒を取り出した大柄な男は、それを地面に叩き付けた。


アスファルトがめくり上がり、とてつもない力がそうさせたという事は……見ればわかる。


「まあ待て。俺達の目的は、裏切り者、結城昴の確保。そして連行だ。完全に死ぬまで殺してもいいけど、タケさんがそれを望んでないからな」


一体……何がどうなってるって言うんだよ!


俺が裏切り者?


冗談じゃない!