東京ヴァルハラ異聞録

拓真の短剣が日本刀に触れる。


キィンと、金属音が響いたと同時に、拓真の身体が俺の頭上へと移動し、背中に鋭い痛みが走った。


「ぐうっ!!くそっ!!」


素早く振り返ると同時に、日本刀で薙ぎ払うが、拓真はその刃を足場にしてクルリと一回転。


軽業師のような動きで、攻撃と回避をやってのけたのだ。


「半年だ。俺はこの街で半年戦い続けた。そんな俺に、お前が勝てるわけがないだろ」


回復をしたばかりだって言うのに、早くも怪我をしてしまった。


確かに拓真の言う通り、俺では勝てないかもしれない。


拓真と麻衣に会えば、何とかなると漠然と思っていたけど……その淡い希望は打ち砕かれた。


俺達が敵同士だって言うなら、一番会いたくなかった敵だ。


「そんなに強いなら……どうして元の世界に戻ろうとしないんだ!本当にこの街がお前に合ってるなんて思ってるのかよ!」


俺の言葉に、ピクリと反応したような気がしたけど……拓真は首を横に振った。


「お前にはわからねぇよ。俺には俺で、やらなきゃならない事があるんだよ。それより続きをやろうぜ。俺とお前の殺し合いだ」


さっきの攻撃から、この言葉が冗談ではないという事がわかった。


戦うしか……ない!