東京ヴァルハラ異聞録

「ね、ねえ昴くん。バベルの塔の頂上に来れば、願いが叶うんだよね?」


「そ、そうじゃないのか?それとも、皆が希望を捨てない為に作り出した噂だったのかな……」


いくら俺に聞かれても、その答えを俺が持っているわけじゃない。


だから、答えはわからない。


「えっと……願いを叶えたいんだよね?確かに、ここにはそういう力があるんだ。そして願いを叶えた瞬間、この世界は一度崩れ去る。さあ、キミ達の願いは何だい?」


そう言い、俺達に人差し指を立てて高山真治は口を開いた。


「1、自分達だけ元の世界に戻り、他の人達はこの世界に留まる」


さらに、中指も立てて続けた。


「2、自分達はこの世界に留まり、それ以外の人達は、今まで死んだ人達も含めて元の世界に戻す」


……なんだ、この選択肢は。


どんな願いでも叶う……そうじゃなかったのか?


そうじゃないと言うなら……俺達は一体何の為にここに来たって言うんだよ。


「3、死んだ人を生き返らせ、全員レベル1から再スタート。崩れ落ちた南軍も元に戻る。さあ、どれを選ぶ?」


高山真治が示した三つの選択肢。


その中に、俺が求めた答えはなかった。


一体どれを選べば良いのか……答えが出ない。