東京ヴァルハラ異聞録

「良くぞここまで辿り着かれましたね。我が主が、皆様のご到着を心待ちにしておりました」


……クイーン。


ポーンやナイトと言った化け物とは違い、知性を感じる。


それに……人に近い姿だ。


「ふん、御託はいい。さっさと始めるぞ。ここにいるのだろう?真治少年が」


トンファーを構え、恵梨香さんがそう言った時だった。


クイーンが出て来た後ろのドアが開き、さらに誰かが出て来たと思った瞬間、クイーンの背中から日本刀が突き刺さり、胸元から刃が飛び出したのだ。


「我が主……なぜ……」


「なぜって。俺を閉じ込めたやつが言う事じゃないだろ?せっかくの再会なんだから、お前に邪魔はされたくないだけだよ」


その男……俺は知っている。


それは、俺だけではなく、恵梨香さんも感じているようで。


「えっと……恵梨香さんですよね?それに、結城昴。ここまで来てくれると思ってました」


それは、間違いなく高山真治だった。


「し、真治少年……」


恵梨香さんの目から、涙が溢れ出す。


ずっと会いたかった人がここにいる……恵梨香さんにしてみれば、これ以上嬉しい事はないだろうな。


だけど、クイーンをあっさりと倒した高山真治。


俺達は、これをどう受け止めれば良いのだろう。