東京ヴァルハラ異聞録

恵梨香さんの言葉が刺さる。


俺は……信じていないわけじゃない。


三人の力は知っているけど……。


「昴くん。先に進もう。バベルの塔の外で戦ってる人達だって、きっと元の世界に戻れると信じてるから戦ってるんだよ。だから……私達も皆を信じよう?ここまで来たんだから……ね?」


「そうだぜ昴。ここにいるヤツらを信じられなきゃ、一体誰を信じるんだよ。お前の横には俺がいる。俺は絶対に死なねぇよ。一緒に元の世界に帰るんだからな」


沙羅……拓真。


人に任せるのは怖い。


だけど、怖くても信じなければならない事もある……か。


きっと、光輝と俺が決闘した時も……沙羅と梨奈さんを助ける時に浅草寺に乗り込んだ時も。


篠田さんは、俺に任せるのは怖かったのかな。


それでも任せてくれたから、結果はどうあれ俺は戦えたんだ。


俺は……篠田さんの帽子を深く被り、無理に笑って見せた。


こうする事で、篠田さんの勇気をもらう事が出来ると思ったから。


「明さん!川本!月影!任せたぞ!!上で待ってるからな!」


そう言うと、三人は俺を見て笑ってくれて。


階段を見上げ、俺は走り出した。