次こそは勝って、髪型と服装を正してみせる...!




「そこの男子。ネクタイをちゃんと絞めなさい!隣にいる女子もです!」

この学校は相変わらず風紀が乱れているわ。

北川君の言葉が昨日から頭から離れない。今日会ったら改めて聞いてみましょう。

お昼休み。美優は一人、お弁当を持って中庭に向かった。

中庭は私にとってこの学園の中でもっとも心が安らぐ場所。

植物の匂いと心地いい風の中で食べるお弁当は格別。このひとときが忙しい普段の風紀委員の仕事を忘れさせてくれる。

「桜井 美優!」

珍しいわね。ここに人が居るなんて。この人達は...高等部の生徒達ね。

この三人は確か前にピアスを付けているのを注意したはず。まだ付けてるなんて反省しない人達ね。

「何か御用ですか?」

「ちょっとツラ貸せや」

「用事があるのでしたらここでお受けします。それともここでは都合が悪いんでしょうか?」