「……やっぱり好きなんじゃん…」
前は彼女じゃないって言ってたのに。
それに友達でもないって。
そのときはそれ以上気にはならなかったはずなのに、どうしてか今はすっごく気になってしまう。
好きじゃない人に好きって言えるの?
それとも本当にあの人が好きなの…?
「あれ?湊、夜食要らないって?」
「…ううん、いま電話してたみたいで。私お風呂入ってくるっ」
どうしてこんなにモヤモヤするんだろう。
脱衣場、鏡の前のウサギさんパンツがどうにも恥ずかしく思えた。
「やっぱり下着買った方が良かったかも…」
中学のときからのお気に入りだったウサギさんもそろそろバイバイかなぁ…。
……あ、またつまらなそうな顔してる私。
前とは全然違う意味ってことくらい分かってる。
「柚、髪濡れてるよ」
「っ…」
ほら、そう言って簡単に触ってくる。
私は確かに妹で、この人は兄だけど。
どうしてそれが今はこんなにも嫌なんだろう。
胸が苦しくて痛い…。
「おにーちゃん、」
「ん?」
「…私、バイト決まったんだ」
ワシャワシャとバスタオルで髪を拭いてくれる動きが少しリズムを乱した。



