誰にも言わないようにしてたのに私のバカっ!
来週の期末テストが終わったらバイトの面接がある、なんて。
絶対この兄は「駄目」と言うだろうから。
「なーに隠してるのかなぁ柚ちゃん」
「な、なにも隠してないよ…?」
「いやー泳いでるねぇ、すっごい泳いでる」
キョロキョロ、ちらちら。
生まれてこの方、嘘を吐き通せたことが1度もなかった。
どうか乗りきって…!お願い…っ!
「あ、そういえば駅前に新しいファミレスが出来たんだってね。今度行ってみる?」
「えっ!!そこは駄目っ!」
「なんで?」
「お、美味しくないって噂で…」
面接時間は夏休み初日の土曜日、10時からだっけ。
新しく出来たばかりだからオープニングスタッフを募集してて。
ここだっ!と思って電話をかけたら意外にサクサクとスムーズに話が進んだ。
「じゃあ今度1人で行って来ようかな」
「…い、行ってらっしゃい」
よかった…なんとか誤魔化せたようで一安心。
そこのファミレスを応募した理由、それはすっごく制服が可愛いからだった。
明るい色のワンピースのようなヒラヒラした制服はかなり人気らしく。



